創業から10年をむかえて

  • 2024年9月24日
  • Blog
  • by koike

編集者の藤本 智士さんの投稿に
「三振だろうがヒットだろうが、とにかく10年は打席に立つんだ」という言葉があり、ハッとした。
自分は今の会社を大実験だと思ってスタートした。
うまくいくという確証は無かったし、
今でもこうすれば良いという方法論は確立できていないから、振り返れば失敗が累々とそびえているし、
先が見えているわけでもないのだけれど、
立ち上げた時に見えた(気がした)可能性や希望は
今だに光を失っていないし、この10年でそれは
より大きくなったように感じている。

出来ること、出来そうなことはどれもトライした。
結果、懐が膨れることはなかったし、つらい時間も過ごしたけれど、
どれもが経験と実績、手に染みた実感として積み重なり、決して軽くない基礎として
今の自分たちを支え、守ってくれているように思う。
無自覚に突っ走って来たけれど、10年やるってのはやはり大事だなぁと思った。
おとといはツリーケア現場、昨日は講習、今日は木工、明日は会議、明後日はイベントと
飽きることが不可能なこの大実験の日々はまだまだ途上。
苦手なことや向いていないことは仲間にお願いすることも覚えながら、
もう一回りやってみようと思う今日この頃です。

写真はブラジルに移民として渡り、開拓民として生きるか死ぬかの切迫した生活を切り抜けながら、
写真家としても多くの作品を残して、ブラジル国内でも高く評価されている大原治雄さんの一枚。
重機もなく、身体で大地にぶつかってゆくような過酷な開拓と営農を行う日々の中、
仕事前の朝の畑に三脚を据え、口笛を吹きながら「あらヨッ」というかのような軽やかさで自らを収めた
セルフポートレートです。僕のこれまでの人生で、いちばん感動した写真です。


投稿者
koike